鬼滅の刃 京都と鬼の関係 歴史秘話ヒストリアで紹介されました Demon Blade Relationship between Kyoto and Demon

2021.01.13 (水)

京都府北部丹後半島に位置する大江山は鬼退治伝説で有名です。大江山には3つの鬼退治伝説が残っています。一番目は「古事記」に記された崇神天皇の弟の日子巫王の土蜘蛛退治伝説です。二番目は聖徳太子の弟の麻呂子親王の鬼退治伝説です。三番目は源頼光と頼光四天王が活躍する酒吞童子伝説です。

鬼滅の刃 京都と鬼の関係 鬼の謎に迫る 麿子親王伝説 Kyoto and demon Maroko-Shinnou Legend

京都府福知山市にある清園寺は飛鳥時代創建の由緒あるお寺ですが、ここに残されている「清園寺縁起」の第二幅には聖徳太子の弟、麻呂子親王による鬼退治の様子がはっきりと描かれています。またこのお寺には鬼退治の時に使用した馬の鞍と鐙も残されています。当時は疱瘡が大流行し、疫病を流行らせる神=疫神と考えられていました。鬼の一番重要な側面は疫神として捉えられていました。

清園寺の御本尊は薬師如来です。薬師は病を退治する仏として崇められ、鬼退治と薬師如来は切っても切れない関係にあります。麻呂子親王は七仏薬師に祈願して大江山の鬼を退治し、七体の薬師如来を彫り、七ケ寺を建立し薬師如来を祀ったと伝えられています。 七ケ寺 のひとつで京丹後市にある成願寺でも薬師如来が見られます。寺の掛軸に鬼を描き、仏(薬師如来)のご加護で救われるということをアピールし寺への寄付を募っていたと言われています。

鬼滅の刃 京都と鬼の関係 鬼の謎に迫る 酒吞童子伝説 Kyoto and Demon Syuten-Doiji Legend

平安京の地相は「四神相応之地」と呼ばれていました。四神とは東西南北を守護する霊獣のことで、北=玄武&南=朱雀&東=青龍&西=白虎といいます。地上世界では 北=山(船岡山)&南=池(巨椋池)&東=川(鴨川)&西=大道(山陰道)となります。山陰道は丹後・丹波・但馬・因幡・伯耆・出雲・石見・隠岐の国々の総称です。大江山は丹後に位置し、疫病が山陰道を通ってやってくると恐れられていました。

平安京のおかれていた山城国と丹波国の境に大枝山(おおえやま)があります。偶然にも大江山と大枝山はいずれも「おおえやま」と呼ばれていました。平安京外部の穢れから平安京を防御し、穢れを排除する目的で設置された四堺(しさかい)<大枝・山崎・逢坂・和邇>のひとつでもありました。大枝山の近辺にある首塚大明神に埋葬されているのは鬼首(酒吞童子)です。

鬼滅の刃 京都と鬼の関係 源頼光 Kyoto and Demon Minamoto Raikou Legend

酒吞童子は丹波の国大江山に住み、都に出ては金品を強奪し、婦女をかどわかす悪行三昧を繰り返していました。当時の天皇である一条天皇が陰陽師安倍晴明に占わせたところ、酒吞童子一行の仕業であることを突き止めました。一条天皇は武勇の誉れ高い源頼光とその家来である四天王(渡邊綱、坂田金時、碓氷貞光、卜部季武)に酒吞童子討伐を命じました。

源頼光と四天王は山伏に変装して酒吞童子の屋敷に入り、酒吞童子に酒を飲ませ寝込みを急襲しました。源頼光は「童子切り」と呼ばれる名刀で酒吞童子の首を切り落とします。しかし酒吞童子の首は源頼光に嚙みつき、暫く離れなかったそうです。大阪市にある逸翁美術館に保存されている「大江山絵詞」からは源頼光による鬼退治の一部始終が見ることが出来ます。

鬼滅の刃 京都と鬼の関係 鬼と人間の共存 Kyoto and Demon Coexistence Demon and Human

京都三大奇祭のひとつ「やすらい祭」(今宮神社)は、春に蔓延する疫病を鎮めることを目的に行われたと言い伝えられています。疫病の根源を美しい花傘に集めて疫社に封じ込めようという意味が込められています。人々は花傘の下に入り無病息災を祈ります。また赤熊と呼ばれる鬼が町を練り歩きます。

大ヒット中の映画「鬼滅の刃」において、鬼=醜悪というイメージが存在する一方で鬼の内面的な弱さもクローズアップされました。現実の世界においても、多くの地方で鬼は身近な存在と位置付けられています。コロナ禍の状況下、改めて鬼(疫病)と人間の存在について考えてみる良い機会ではないかと思います。また大江山にも是非足を運んで下さい。

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